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Hasselの使い方には絶対守るお作法があります。間違ったお作法で操作すると結構な確率で壊れますので下記は覚えておいてください。破損の状態によっては直すのにかなりお金がかかる場合もあったりします。注意してお作法を癖付けるようにしてください。

Hasselblad 500C/M

1)使わないときはシャッターチャージせずに、切った状態にしておくこと。
シャッターをチャージした状態で長期間置くとバネの負荷が掛かって壊れやすくなるようです。交換レンズはシャッターを切った状態(ファインダー像はまっくら)で保管してください。

2)マガジンスライド(遮光用板)を外しておくこと。
スライドを挿したままだとモルト(スリットに貼り付けられたけばけばした毛の生えたような部分)がぺしゃんこになって隙間が開きます。そこから光が入るようになると勝手に露光して光線引き(光漏れ)がおきたりします。

3)必ずシャッターチャージしてからシャッター速度の変更やレンズ交換をすること。
レンズを外して空打ちして、そのままわすれて無理にレンズを付けるとシャッターがおりなかったり面倒くさいことになります。
※万が一やっちゃった場合は専用のチャージドライバなどで連動用のシャフトにつながる接点をカチっと言うまでまわしてシャッターチャージを解除してください。

4)マガジンはマガジンスライドを差し込んでからマガジン上部のロックを解除すること。
マガジンスライドは、装填されたフィルムへの露光防止とシャッターロックを兼ねています。折れ曲がってしまったマガジンスライドも光漏れをおこして光線引きの原因につながるので新しいものに交換しましょう。(マガジンスライドは探せばシュリロによる正規輸入の新品でも\1,200くらいで売っています)

5)新しくフィルムを装填したマガジンを取り付ける前にボディ側をチャージしておくこと。
ボディがチャージされていないままマガジンを取り付けて撮影してしまうと、撮影直前にチャージした際にマガジン側も連動してフィルムが一枚分先送りされてしまい、最初の一枚が無駄になります。せっかく12枚撮れるのに11枚しか撮れません。

6)ミラーアップをした状態でレンズを脱着しないこと。
ミラーが降りなくなってしまい、最悪壊れてしまいます。そうなってしまった場合は無理に触らずにハッセルを取り扱っている詳しいお見せへ持ち込む方が良いかもしれません。

7)ミラーアップをした状態でホルダーを脱着しないこと。
これも最悪壊れてしまう場合がありますのでじゅうぶん注意してください。かならずミラーが降りている状態(ファインダーごしに像が見えている状態)で脱着してください。

8)マガジンスライド(遮光用板)を抜いた状態でホルダーをはずさないこと
これも壊れます。ただし、通常は無理な力を加えないかぎりマガジンスライド(遮光用板)を抜いたまま脱着できないようになっています。無理にはずそうとしないでください。


レンズの種類やカメラの構成などによって若干ちがいますが、基本は同じ手順です。

○レンズの装着
必ずボディ側がチャージ(巻き上げ)してあるのを確認します。
チャージしていないとレンズが装着できませんし、外せません。無理に扱うと壊れちゃいます。レンズのフォーカスリングを持って反時計回りに回しきります。ボディの赤いマークにレンズの赤い三角形を合わせてフォーカスリングを時計方向にまわして「チンッ」と音がするまではめこみます。

レンズの装着

しっかりロックされたかどうかを確認してください。ちゃんとはまっていないとレンズが落ちて壊れます。ちゃんとはまっていれば銀色のレンズ取り外しボタンが飛び出します。外すときは、チャージされているのを確認し、レンズ取り外しボタンを押した状態で逆の動作をします。

○ファインダーの装着
これはマガジンを外した状態で行います。ファインダーの向きを確認して後ろ側から前へスライドして装着します。外す時は、マガジンを外してファインダーを前から後側へスライドします。どの種類のファインダーでも同じ方法で脱着できます。

ファインダーの装着

マガジン自体がファインダーのロック代わりになっているので、マガジンさえ外せばスルっとファインダーが外れます。

○マガジンの装着

マガジンの装着 01

マガジンの底部に2つ(1つのものもあります・・・)マガジンのキャッチに引っ掛けるツメがあります。ここをボディ側のくぼみに引っ掛けて、マガジンの上部にあるツメが「カチッ」っと音をたてるまで確実にロックします。これで装着された状態になります。

マガジンの装着 02

フィルムマガジンを外すときは、マガジンスライドを挿入してからマガジンの上部にある丸いレバーを右にずらします。ロックが解除されてマガジンが外れます。

マガジンの装着 03

マガジンを外すときはマガジンスライドを挿入しないと外れません。ボディに装着した状態でしばらく使わないときはマガジンスライドを引き抜いて保管しましょう。


各部の名称です。これからの説明でわからない部位の名前が出てきたら参考にしながら見てくださいね。漏れがあれば教えてください。(左右はウェストレベルで構えた状態を基準にしています)

○ボディ上部

ボディ上部

1.シャッタースピード連動露出値変更ボタン
2.巻き上げクランク
3.クランク着脱用ツメ
4.ファインダー(ウェストレベル)
5.フィルムマガジン着脱ボタン

○ボディ左側面

ボディ左側面

1.ストロボシンクロ接点
2.レンズ取り外しボタン
3.ケーブルフック取り付け穴
4.アクセサリーソケット
5.ストラップ取り付け金具
6.ファインダー(ウェストレベル)
7.マガジンスライド
8.フィルム消費インジケータ
9.ロールフォルダーキー

○ボディ右側面

ボディ右側面

1.フード取り付けバヨネット
2.シャッタースピード設定リング
3.絞りリング
4.フォーカスリング
5.シャッターボタン
6.タイムレバー
7.巻き上げクランク
8.ミラーアップボタン
9.ファインダー(ウェストレベル)
10.ストラップ取り付け金具
11.シャッターチャージシグナル
12.フィルム面位置表示
13.フィルムシグナル
14.フィルムカウンター
15.フィルム巻き上げクランク

○ボディ底部

ボディ底部

1.三脚ネジ穴(小)
2.三脚ネジ穴(大)
3.三脚プレート
4.マガジンキャッチ/マガジンキャッチ受け
5.メモフォルダー(中のフィルムが分かるようにフィルムの箱をちぎって入れておきます)


慣れれば簡単ですが、これが一番ややこしく感じるかもしれません。
できるだけ写真いっぱいで解説しますね。

○フィルムの装填

フィルムの装填 01

フィルムマガジンを後ろから見て左側にあるロールホルダーキーを起こして反時計回りにまわします。

フィルムの装填 02

これでロックが外れますので中身が引き抜けます。

フィルムの装填 03

カウンターをリセットするにはホルダーを少し抜き出してまたすぐに押し込んでロールホルダーキーを時計回りにまわしてロックします。

フィルムの装填 04

そうするとフィルムマガジンの右側にあるフィルムカウンターが「0」を示します。
この「0」の表示はフィルムホルダーを抜いた時だけです。

フィルムの装填 05

フィルムの装填が完了して撮影可能な状態になっている時の表示は「1」になっています。
このカウンターは撮影を追うごとに12までカウントアップするカウンターです。フィルムマガジンの仕様も様々で、同じ型番でも違う仕様のものもあります。

フィルムの装填 06

仕様によってはカウンターと連動してロールホルダーキーの中心にフィルム使用状況を表すインジケータが付いているものもあります。この写真のタイプはインジケータありのもので、フイルムが最後まで巻き上がるとこの部分が完全に赤に変わります。

さて、フィルムの装填ですが、これは出来る限り直射日光のあたる場所でやらないでください。ブローニーはフィルムにパトローネ(金属製の筒)が無いので誤って露光しやすいです。出来る限り暗い場所で作業しましょう。

フィルムの装填 07

1)まずロールホルダーキーを起こして反時計回りにまわし、完全に引き出してください。

フィルムの装填 08

2)左側の巻き取りノブを少し持ち上げて(コスト削減が始まる前のフイルムマガジンは、スプールクランプバーにヒンジが付いていて巻き取りノブが完全に起き上がります)、空のスプールをセットします。※空のスプールが既にセットされていればそのままそれを使用します。

フィルムの装填 09

3)新しいフィルムの封印を切って右側にセットします。
このときに紙の黒い面が上を向くようにしてください。

フィルムの装填 10

4)フィルムの先端を引っぱってきてそのまま裏側へひっぱってきます。

フィルムの装填 11

5)ロールホルダーキーを時計回りにまわして水平にします。フイルムマガジン裏側の銀色のフイルムクランプが少し浮きます。下の写真のように、リーダーペーパーをフイルムクランプの下へ挟むように通します。こうしないとフィルムが緩んでフォーカスが合いません。

フィルムの装填 12

7)ロールホルダーキーを反時計方向に回し、フイルムクランプを締めてリーダーペーパーを抑えます。

フィルムの装填 13

8)リーダーペーパーの先端を空の巻き取りスプールの溝に挿して巻き込み、抜けないことを確認します。

フィルムの装填 14

フィルムの装填 15

9)フィルムの先端が抜けないようにしっかり指で抑えながら巻き取りノブを時計方向へ回して少しずつフイルムを巻きます。

フィルムの装填 16

10)リーダーペーパーに印刷された“START”の表記が出てきたら矢印をスプールクランプバーの赤い三角印に合わせます。
   ⇒“START”と表記されていないフィルムもあります。

フィルムの装填 17

11)ロールホルダーキーを持ってロールホルダーをフイルムマガジンに奥までしっかり納めてしっかり咬み合ったら、ロールホルダーキーを時計回りにまわして水平にしロックして倒します。

フィルムの装填 18

12)フイルムマガジンを後ろから見て右側にあるフイルム巻上げクランクを起こして時計方向に10回ほど止まるまで巻きます。

フィルムの装填 19

13)フィルムカウンターの表示が前述した「1」になっていて、フィルムシグナルが「白」になっていれば無事にフィルム装填が完了しています。

フィルムの装填 20

14)どこかに引っ掛けてうっかりフィルムを巻いてしまわないようフイルム巻上げクランクを反時計まわりに水平になるまで戻して畳んでおきます。反時計まわりに回すぶんには大丈夫です。

もう山は越えました。おめでとうございます。この作業も慣れると楽に行えるはずです。


前回でフィルムを装填したので、後はマガジンを取り付けて撮影開始です。

○シャッターチャージ

1)フィルムマガジンを取り付ける前にボディ側のシャッターチャージがなされているかを確認します。
チャージされていなければボディ側面にある巻き上げノブを時計回りに回してシャッターをチャージしておきます。その際ボディ側面のシャッターチャージシグナルが「白」になっていればOKです。

ボディ側面のシャッターチャージシグナルが「白」

2)フィルムマガジンを取り付けます。
この時点でフィルムマガジンのフィルムシグナルとシャッターチャージシグナルが両方とも「白」の状態になります。
  ※501C/Mなどコストダウンが図られはじめてからのものは、巻き上げクランクの材質が金属から樹脂製へ変わっていたりシャッターボタンの形状が違ったりします。その頃になるとこの本体側面のシャッターチャージシグナルも廃止されています。

フィルムマガジンのフィルムシグナルとシャッターチャージシグナルが両方とも「白」

3)最後にマガジンスライドを引き抜けばレリーズの準備が整います。後は撮るだけ!


さて、レリーズ準備は整いました。あとは構図を決めて絞り値とシャッタースピードを合わせます。その後構えてピントをあわせたらシャッターを切るだけです!

○ウェストレベルファインダーの開閉
500C/M標準装備のウェストレベルファインダーはフォーカシングフード形式です。

フードの後部を上に持ち上げるように開くと折り畳まれたフードが跳ね上がって広がります。また、その際結構な勢いで開くので少し手で押さえて勢いを緩めてあげると壊れにくいです。
※少し古い時代の製造では丸い開閉ボタンが着いている場合もあります。その場合はボタンを右にスライドさせるとフードが開きます。すぐ後ろのフィルムマガジン着脱ボタンと似ているので間違わないようにしましょう。

ウェストレベルファインダーのフォーカシングフード

○レンズキャップを外す

レンズキャップを外す

○ファインダーを覗く
カメラを腰のあたりまで下げて構えて真上から覗き込みます。ファイダー内に像が写ります。腰の位置で構えることからウエストレベルファインダーと呼ばれています。

ファインダ像

○ファインダー像を拡大する
プリズムが無いためこの状態で左右逆像のファインダー像が見えたら正常です。
フォーカシングフードの蓋の裏にレバーがあり、これを右へ少しスライドさせるとルーペが出てきます。

ルーペの開閉

フォーカスが合いにくい場合はルーペで拡大して合わせてください。ルーペを使うとファインダー像が4.5倍になります。その際にはルーペを覗き込めるくらいまでカメラを持ち上げて使用します。

○測光する
Hasselblad 500C/Mには露出計がありません。測光はできないため、経験と感で絞り値やシャッタースピードを決めるか、露出計を使います。
ノブメータ(Silicon Photodiodeを使った露出計付き巻き上げノブ)やTTL露出計が内蔵されたPMEシリーズなどのプリズムファインダーを使用する方法もあります。

○絞りとシャッタースピードを設定する
測光した値をレンズの絞りとシャッタースピードへ反映します。

レンズの絞りとシャッタースピード

○フォーカス
ウェストレベルファインダーを覗いてフォーカスを合わせます。

○レリーズ
ボディ前面の右下にある銀色のボタンを押すとシャッターが切れます。

シャッターボタン

「シュボッ」という音とともにレリーズされます。レリーズ後はフィルムシグナルとシャッターチャージシグナルが両方とも「赤」に変わります。

フィルムシグナルとシャッターチャージシグナルが両方とも「赤」

再度ボディ側面にある巻き上げノブを時計回りに回してシャッターをチャージしてシグナルを両方「白」にします。これを撮影可能枚数の分だけ繰り返して撮影を行います。

レンズのシャッタースピードリングにオレンジ色で表記された数値(EV値)

レンズのシャッタースピードリングにオレンジ色で表記された数値(EV値)でスローシャッターを使用する場合はシャッターボタンをその時間内押し続けてください。途中ではなしてしまうとミラーがあがってしまいちゃんと露光されません。

さて、全部撮り終えたらフィルムを取り出しましょう。次回で説明しますね。


全部撮りおえたらフィルムを取り出して現像です。

○フィルムの巻き上げ

巻き上げノブを時計回りに回す

1)撮影が完了したらフィルムマガジン側面の巻き上げノブを時計回りに回してフィルムを巻き上げます。
2)フィルムの抵抗がなくなり、ノブが軽くなったら巻き上げ完了です。
3)フィルムマガジンのロールホルダーキーを起こして反時計回りにまわし、引き抜きます。

左側へ巻かれたフィルムをスプールごと取り外す

4)左側へ巻かれたフィルムをスプールごと取り外します。

フィルムが緩まないように封印する

5)フィルムが緩まないように封印を水でぬらすかぺろっと舐めるかして糊付けします。封印は切手のようにぬらすと糊付けできます。

スプールを右から左へ移す

撮影後は空のスプールが右側(新しいフィルムを入れた側)に残った状態になります。
次のフィルムをセットする際はこれを巻き取りノブのある左側に移して新たに右側に新しいフィルムをセットします。

現像は近くのショップでも仲介してくれますが、堀内カラーなどのラボに直接持っていくと安く済みます。

・堀内カラー
http://www.horiuchi-color.co.jp/


○製造年の確認

Hasselのボディやフィルムマガジンには頭がアリファベット2文字(もしくは3文字)から始まるシリアルナンバー(製造番号)がふられています。中にはアルファベットより前に“19”とわざわざ西暦の上2桁をふってあるものもあります。

シリアルナンバー(ボディ)

シリアルナンバー(フィルムマガジン)

このシリアルナンバーの頭に書かれたアルファベットを“date code”といいます。

VHPICTURESという文字それぞれに数字の1~0までが割り当てられているので、製造年を特定するにはそれぞれの文字に数字を当てはめて読み取ります。この2文字が製造年の西暦の下2桁をあらわしています。

VHPICTURES(Viktor Hasselblad Pictures)
1234567890

V=1、H=2、P=3、I=4、C=5、T=6、U=7、R=8、E=9、S=0となるので、UV000001とあれば1971年製の1台目ということにるわけです。

たとえば私のボディはUUから始まっているので77年製、フィルムマガジンはRTからなので86年製です。ボディは私と同い年です。製造年は常に最初の2文字に記されています。なおHasselblad社はこの手法を、Eastman Kodakがレンズに使っていたものから学んだそうです。Kodakの場合、マジックワード的なものに”CAMEROSITY”という文字列を使用していました。Kodak製でHassel用のEktarなんかはこの表記で書かれています。

ちなみに私のもののようにアルファベットが3文字ある場合、最後の文字“C”はプロダクトタイプコードです。これは1977製造時に500C/Mに追加された“C”で、「Cシリーズのカメラだよ」という意味だそうです。

C/M の/Mはmodifiedの”m”です。つまり仕様変更のあったモデルなんですが、同じように/M付きのモデルが他にもあります。1977年発売の 2000FCのシリアルには“F”、1978年まではELとEL/Mに“E”、1979年まではSWCとSWC/Mに“W”というように、モデル識別用のプロダクトタイプコードを追加したようです。このあたりの情報は私が調べたものですので情報は100%信じ切らないでおいてください。アルファベットが追加された西暦などそんなに自信ありません。500C/Mも500Cからのモデルチェンジが1971年に行われましたが、1977年まではそのように表記されてはいなかったようです。
このアルファベットで製造年を識別するシステムは1940代に適用されたものだそうです。これにさらにアルファベットを1文字追加する動きは、各モデルのシリアルナンバーを内部的に管理する際、シリアルを見ただけでそのシリアルがどのモデルに属しているのかを管理できるようにしたかったのが発端でしょう。今はもう台帳もIT化が進んで管理もデータベースで楽になっているんでしょうけどね。いまのHasselblad社は5000万画素のデジタルカメラ(H3DII-50)を発表するくらいの会社です。

・Hasselblad H3DII-50 製品ページ(英語)

その他質問などあればコメントください。

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